リックキッズで月1回開催される「リックラブ」のひとつ「わくわく科学クラブ」は、子どもたちが実験を通じて楽しく科学に触れる活動です。今回は「食べ物で布に色がつく!~脱色と食べ物を用いた着色実験~」というテーマで、身近な物質が持つ化学の力を探究しました。わくわく科学クラブの講師は「ささっち」、オンラインで校舎を繋げて行われました。
身近な現象から脱色の原理を探る
前半は「脱色」の仕組みを学びました。まず、事前にパイプユニッシュ(塩素系漂白剤)を使ってあらかじめ脱色したおいた葉っぱを観察しました。子どもたちは、脱色された葉っぱと元の葉っぱを比較し、さらに液体の匂いを嗅ぎます。この時、ある子が「プールと同じ匂いがした」と気づきました。ささっちは、それは漂白剤に含まれる塩素の匂いであること、塩素がプールで殺菌に使われていること、そして塩素が色を抜く作用を持つ成分であることを説明しました。このことから、「脱色」という現象は専門的なことのように感じますが、私たちの身近な日常の衛生管理や生活の場で起きている化学現象であることがわかりました。
続いて、色のついた布(色布)を漂白剤に浸す実験を行いました。布の色が目に見えて抜けていく様子を観察した後、ささっちから脱色の科学的な仕組みについての解説がありました。「脱色」という漢字が「色が脱げる」と書くように、脱色とは色がなくなることです。色の正体は「つぶつぶ」(色の成分)が強く結合している状態です。漂白剤の液(ピューラックス)は、この色の成分の「つながり」をブチブチと断ち切ってしまうため、結果として色がなくなって見えるという原理が伝えられました。一度破壊された色の成分は元に戻らない(不可逆性)という説明に子どもたちは興味津々でした。
食べ物を使った羊毛の着色チャレンジ
脱色の仕組みを理解した後、今度は食べ物を使った布(羊毛)の着色実験に挑戦です。子どもたちは、用意された様々な食べ物の中から「どの食べ物が布に色をつけられるか」を予想し、実験に臨みました。
今回の実験には、色々な種類のかき氷シロップ(イチゴ、レモン、メロン、ブルーハワイ)や果汁ゼリー、こんにゃくゼリーなど、合計7種類の身近な食べ物が用意されました。子どもたちは、選んだ食べ物とお酢、水を混ぜたアルミカップに、あらかじめ洗っておいた羊毛の布を入れ、ホットプレートで温めて色が布に定着するのを促します。さらに色が定着した後も、水で洗い流して「色が抜けてしまうか」「抜けないか」を確認するという、考察を深める工程が加えられました。
子どもたちは「自分の予想は当たるか?」とわくわく実験に取り組みました。多くの校舎でかき氷シロップを使った着色が成功し、画面越しに鮮やかに染まった羊毛を次々披露してくれました。今回このメイン実験に十分な時間を確保したので、用意された材料で一人2〜3回実験にチャレンジできました。子どもたちは、最初に予想した色が定着した後も、別の色で試したり、シロップの色を混ぜて新しい色を作ったりと、創意工夫を凝らして活動を楽しみました。実験がうまくいった校舎の子どもたちからは、自慢げに鮮やかな色の羊毛を見せ合う様子が見られました。
色の正体を知る〜天然着色剤と合成着色剤の比較〜
実験で布に色が定着する食べ物と、水で洗うと色が抜けてしまう食べ物があることを確認した後、ささっちはこの違いの理由を解説しました。布に色が定着した食べ物には、主に合成着色剤(人工的に作られた着色料)が使われており、水で色が抜けた食べ物には天然着色剤(自然由来の着色料)が多く使われているということでした。
合成着色剤は石油を大元に、天然着色剤は野菜や藻類、中には虫の色を元に作られているという、違いを説明。「合成着色剤は身体に悪い。天然着色剤の方がいい」というイメージが先行しがちであるけれども、天然着色剤の中にも、過去には発がん性物質を含むために使用されなくなったものもある、ということも伝えられました。この話を通じて、子どもたちは「天然だから良い」「合成だから悪い」と単純に判断するのではなく、着色剤には様々な種類や特性がある、ということを学びました。
脱色と着色という二つの実験を通じて、物質の不思議な性質に触れることができました。「どうしてだろう?」という疑問を大切にしながら、子どもたちはみんなと一緒に実験を楽しみました。
※薬品や火気(ホットプレート)を使用する実験が含まれていましたが、子どもたちが安心して安全に参加できるよう大人(サポーター)がサポートしています。