まず、頭の準備から
この日のサイエンスα、最初のテーマは「混ざっているものと、混ざっていないもの」です。
実験に入る前に、水、空気、牛乳、石油、海水、酸素、二酸化炭素ーーーこれらを「混ざっているもの」と「混ざっていないもの」に分けるクイズからスタートです。
「空気って酸素だけじゃないの?」「牛乳はタンパク質も入ってるから混ざってる」「石油は……なんか混ざってそう」。ひとつひとつ真剣に考えながら、結果は全問正解。
二つ以上のものが混ざり合ったものを「混合物」、何も混ざっていないものを「純物質」と言います。この二つの言葉が、今日の実験のベースになります。
水と塩水、どちらが先に沸騰する?
最初の実験は、水と塩水をそれぞれ加熱して、沸騰する温度を比べるものです。
温度計を見ながら、予想が飛び交います。「70度ぐらい」「いや60度かな」。沸騰石をポチャンと入れて、火をつけて、じっと待ちます。
「1秒に1ミリぐらい上がってく!」「ほら見て、40いったもん!」——温度が上がるにつれて、声もだんだん大きくなっていきます。
ただの水は、87度あたりでボコボコしてきました。続いて塩水。「変わると思う?」「上に変わる、もっと高くなると思う」。結果は93度。約6度の差が出ました。
水に何かを溶かすと、沸騰する温度(沸点)が高くなる。これを「沸点上昇」と言います。「そのままやん」と子どもに突っ込まれていましたが、・・・そのままです(笑)
みりんに火はつくか
次の実験です。みりんをティッシュに垂らして、火をつけてみます。
結果は——つきません。
アルコールは燃えますが、みりんのアルコール分は12.5%。残りの87.5%は水です。水が勝って、火が消えてしまいます。
「じゃあ、アルコールだけ取り出せたら燃えるんじゃないか」。そこから蒸留の実験に入ります。
枝付きフラスコにみりんを入れて、加熱します。出てきた蒸気をチューブで冷やして、液体として集める。水よりもアルコールのほうが沸点が低いので、最初に蒸発してくるのはアルコールのはず——という見立てです。
しばらくすると、チューブの先にじわじわと液体が溜まってきました。「来たよ来たよ!」「ほら、垂りって来てる!」。ゆっくり、でも確かに。
そして取り出した液体を、ティッシュに垂らして火をつけると・・・
燃えました!!
蒸留でできること
液体を加熱して蒸発させ、冷やして取り出す。この方法を「蒸留」と言います。
たとえば海水を蒸留すると、塩は残って水だけが取り出せます。「じゃあ無人島でも生き残れる」——正解です。川の水のように塩が混ざっていない水源があれば別ですが、海しかなければ蒸留が使えます。
そして石油も同じ仕組みです。地面から出てきた原油をあっためると、沸点の違いによって石油ガス、ガソリン、灯油、軽油……と順番に分かれていきます。車のガソリンも、ストーブの灯油も、もとをたどれば同じ原油から蒸留で取り出したものです。
混ざっているものを、沸点の違いを使って分ける。今日の実験で、みりんからアルコールを取り出したのと、原理はまったく同じです。
「なんか実験したい」と言っていた子が、実験の終わりにもそう言っていました。今日も存分に、楽しく学べた1時間でした。